手元の1冊

ひと癖ある大人が好きだ。

骨のある哲学、主義主張をひけらかさず守る、そんな先人には、敬意を持つ。

近くにいたら嫌なのだけど、自分は中途半端だから憧れてやまない、というわけだ。

というのも
伊丹十三のエッセイを読み始めたんである。
方々で良質だと絶賛されているが、ご縁がなかった。文庫を手にして、装丁に驚く。緻密な挿画は本人が描いているそうだ。…ふーん。
彼に関して無知なまま読んでいる。映画はひとつとして観ていない。奥さんの演技は好きだ。関西に暮らし始めてから、地図を見て、名前を連想して笑った。

むかしツムラか何かのCMに本人が出演してた気がする。
それはさっき思い出した。

昭和の癖のある大人。
多分まだ知らないたくさんの魅力的な大人がいるだろう。
花森安治。
山口瞳。
書いたものを読むとナツカシくて、説教くさくて、そしてなにやらほっとするのは、
私がまだ大人ってのに「憧れつづけてる」からなのかもしれない。

うーん…いつまでピーターパンしてる気だ。
もう、すぐ、30だぜ。